精神科訪問看護について
看護師の役割
精神障がいとは、身体障がい、知的障がいのように見た目でわかるものではないために理解してもらえないという側面があります。そのため、詐病といわれたり、差別を受けたりすることもしばしばあります。誰にもわかってもらえないということに悩み、自分の殻に閉じこもってしまう人も多くいます。
精神看護とは、そういった精神疾患を抱えて、生き辛さを感じている人々に寄り添い、支えていくことにあります。話をしても自分の辛い気持ちを理解してくれる人はいないと思い込んでいる方が多くいます。その気持ちを親身になって聴いていくことで少しでも負担の軽減につながればいいと思っています。
精神科訪問看護とは、その人がその人らしく地域で生活することができるように支援していくことにあります。そのため、訪問時に話す内容はそれぞれ違い、ある人にとっては家族以外と話をするというだけで精一杯の方もいます。また、ある人にとっては、就労するためのステップとしての支援、就労につながると“卒業”という形で訪問看護が終了になる方もいます。訪問では、時には優しく時には厳しく親身になって、将来を見据えた支援を一緒に考えながら行っていきます。
- ・健康状態の観察
- ・生活リハビリ
- ・主治医、ご家族の関係調整
- ・病状の悪化と予防
- ・服薬支援
- ・家族への支援
- ・医療処置
在宅ターミナルケア
これまで私たちは、多くの方の様々な最期に立ちあってきました。いかに自分らしく生き、そして亡くなっていくのか。それは大きなきな人生のテーマです。痛み、苦しみ、迷い、喜び、感動に寄り添いながらご本人、ご家族の望む医療を整えていく。このような尊い、壮大な仕事ができるのは私たち訪問看護師だけです。
- ・痛みのコントロール
- ・リラクゼーション
- ・点滴、管類の管理
- ・症状のコントロール
- ・心のケア
- ・床ずれの手当と予防
がんの末期の方、老衰により寝たきり状態な方とご家族が最期まで自宅で過ごせるようにサポートさせていただきます。
作業療法士の役割
朝目覚めて、夜眠るまで、ひとは様々な行為をしながら1日を過ごします。私たち作業療法士は、ひとの生活を構成するすべての行為を“作業”と捉え、これらを用いて、障害の軽減・生活に必要な技能の回復を図ります。そのような毎日の中で、快体験や成功体験を積んだり自信を回復しながら、自分を認め、自分を好きになったり誰かの役に立つ体験、誰かと何かを成し遂げる共有体験を重ねたり他者を感じ、自他の違いを認め、自分を大切にする―このような経験を共に味わいながら、その人らしい可能性を見出だしていくのが私たちの役割です。
本人の希望や生活スタイル、価値観を尊重しながら、地域生活を送るうえで必要かつ適切な支援を本人が自己決定・自己選択できるように関わることを大切にしています。
- ・生活リズムの習得
- ・生活の自己管理のアドバイス
- ・生活技能の習得
- ・余暇・楽しみの提供・共有
- ・病気、障害との付き合い方の習得
- ・地域社会との交流などの情報提供
- ・環境調整
- ・家族支援
- ・就労支援
臨床心理士によるカウンセリング
心の内にあるさまざまな不安やイライラ、苦悩や怒り等の感情を言葉にして表現すると、その苦痛が解消され、安堵感や安定感を得ることができます。これは「カタルシス効果」「心の浄化作用」として広く知られています。しかし残念ながら今の日本では、その大前提となるクライアントとカウンセラーとの関係性についてはあまり注目されていないのが現状です。自分はこの相手ならどんなことを話しても大丈夫。安心で頼りになると思ってもらえる信頼関係を築くことを第一に考えます。その後に、いろいろな気付きを一緒に探していきたいと思っています。
先ずは目の前の問題解決に全力を尽くし、その上で次に取り組みたいのは「予防」。そして万が一メンタル不調になった際、ご自身が自分の治療者になれるように、日ごろから心理教育・情報提供を分かりやすく丁寧に行っていきます。
心の手当てを大切にしているハートフルでは、心理の重要性をスタッフみんなが理解しており、看護師や作業療法士と一緒にチームとして関わることで、それぞれの専門分野からの視点を重ねることができ、最善のアプローチができると考えています。
利用者様に関わらず、
一般の方への訪問カウンセリングも行っています。
- 対応可能時間:月曜日 8:45〜17:45
- 料金:50分 6,000円 / 初回90分まで6,000円
- ※対応エリア外は別途交通費が必要となります。
- 郷沢克己
- 臨床心理士、介護福祉士、産業カウンセラー
- 自身のうつ病での国立精神・神経センター病院(旧武蔵病院)への3ヶ月間の入院経験から心理療法に興味を持ち、今はより利用者様に近い存在で在り続けたいと心掛けています。